「ゆうか」 松永健太
僕をダイエーにある
のりものと思っている
ねている時は
またがってくる
くるまいすにすわってると
ひざの上にものってくる
おもたくてあしがしびれる
だけどゆうか
ああいうところがかわいい
僕もついついあがっていいよって
いっちゃうの
作者の松永健太さんとは、2002年4月からの1年間、北海道の養護学校でご一緒させていただきました。
私は協力隊に行こうと決めた1998年の夏から、札幌の教育大学で養護学校教員免許を取るために通ったり、いくつかの養護学校で仕事をさせていただきました。
協力隊の試験に合格(2002年春募集)したときに勤務していたH養護学校は、肢体不自由のある方々が学ぶ学校でした。
肢体不自由養護学校の校舎はオールフラットフロア(平屋)で段差がなくゆるやかなスロープやてすりがついているなど、車いすの方が移動するのに配慮されたつくりになっています。
私は高等部3年生のクラスに配属されましたが、学部全体で15名ほどの規模だったこともあり、高等部の先生方みんなで子どもたちとおつきあいする、そんな雰囲気でした。
松永健太さんとも、授業や遠足などで一緒に過ごさせていただくことが多かった方の一人です。
彼は電動車いすで校内を移動していましたが、体の緊張が強いのでひとつひとつの動作(手や指を動かす)をするのにはとても力を使いながらしていたことを思い出します。
私がその学校を離れ協力隊の訓練に入ってから(2003年4月~)、その学校の先生からメールなどで子どもたちの様子を教えていただいておりました。
健太さんたちは地元の高校野球の試合で始球式を務めたり、修学旅行の企画を考え成功したりと大活躍だったそうです。
そして、昨年(2004年)9月30日に健太さんの書いた「ゆうか」という詩にミュージシャンの石井竜也さんがイラストを描いた様子がNHKで放送されました。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/arch/thu/40930.html
「ゆうか」ちゃんは健太さんの妹の名前です。
学校にもちょくちょく来られていたことを思い出します。
詩の中で健太さんにちょっかいをかけてくるゆうかさんを
“ああいうところがかわいい
僕もついついあがっていいよって
いっちゃうの”
と書いていますが、このあたり、彼の語り口調が思い出されてとても懐かしい気持ちになりました。
その2人の間の出来事や、お互いのそだちのありのままを健太さんは詩にしました。
いま、健太さんは養護学校時代の寄宿舎を離れ自宅でご家族と暮らしています。
放送ではその様子も紹介されていたようですが、彼の笑顔の映像写真が印象的です。
学校を出た後の生活・・・・障害のある方とそのご家族にとっては大きな課題です。
それは日本もそうだし、パキスタンもそうだし、すべての国でも大きな課題だと思います。
またいつか彼にお会いできますことを願いつつ、誰もが願うとおりのあたりまえの暮らしができる世界をつくるお手伝いを続けていきたいと思います。
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