木工科3年生の卒業製作の指導過程を残しています。

イメージ図を描き始めたころは、窓は後からパネル様のものをただペタっと貼るだけを考えていたが、ボンド接着前に1段1段糸のこ処理をしておけば、簡単かつきれいに窓をつくることができるか、そんなイメージが湧いたので早速実行する。
たて20mm×よこ40mmのはばでえんぴつでけがき線を入れ、その部分をササッと斜線をいれて区別がつきやすいようにしておく。

けがいた線のところを糸のこで切る。

糸のこで切るとこんな感じになる。
できるだけ正確に糸のこを入れたつもりだが、ギザギザの段差が出てくることと、何かアクセントに窓枠みたいなものを入れた方がおもしろいか・・・そんなことを作っている最中に思うようになり、

5mm角の棒を自動かんな盤で1.5mmまで削り(こういう作業が簡単にできる機械がそろっているのがありがたい)ボンド接着面(背面)以外をオイルステイン塗りをする。
自動かんながけ→オイルステイン塗装までが20分ほど。

窓枠の幅はその場所場所によって0.5mmとか1.0mmとかのずれがあるから、1カ所1カ所さしがねで測ってはさみで切り分けボンドをつけて窓枠を貼っていく。ログの切断面のツラ隠しができるし、高さのずれみたいなものをある程度矯正できる一石二鳥な工夫。
難しいのは、↑の写真の窓枠が20mm×40mmの細かーーい世界だということ(笑)。

暖房が入った実習室は省エネモードとはいえ、ボイラー室からの導管に一番近い場所にあるのでとても暖かい。
だからボンドも5分もすれば結構固まってしまう。
1組のユニットを接着するのはその矯正をはたがねですることも考えてスピーディーに行う。

1階部分の外壁(3ユニット)をボンド接着し終わる。
はじめての作業で、いろいろ試行錯誤しながら作っているので手を入れた方がよいところ、こうしたらいいかなぁというアイデアがいろいろ湧いてくるが、とりあえず第1弾のログハウスとしては良い感じに進んでいる。

いすで重みをかけたので上手い具合に土台の枠組みとラワンベニアが貼り合わさった。
見取り図をもとにして外壁の部分に必要なログを長さを測って切り、組み合わせようの切り欠きを昇降盤の刃で入れた。

いくつかのユニットにわけて、1段ずつ組んでいく。

↑それを土台部分に重ねていっているところ。

9段重ねたところで、束ねてハタガネで仮どめしておく。
重ねることで出てくる微妙なゆがみをある程度矯正するのもねらい。

↑これが1階の外壁部分。3つのユニットに分けている。
細かい材だからどうしても狂いがでてくるが、複数のユニットにわけることでその狂いを最小限に抑えたい。
割り箸状に割いた材を、ルーターという機械をつかって加工する。

↑据え置き型のルーター(角を丸くしたりななめにしたり刃を替えることでいろいろな形に加工できるドリル様の機械)に5mm角よりちょい大きいみぞを開けた板を布テープで固定する。

そして、そのみぞに角棒を差し入れ削ってみる。
↑の写真で真ん中の円い部分がルータービット(刃)の部分。
これなら、安全に生徒でもルーターを操作することができるだろう。

微妙なセッティングが必要だが、角が取れ荒削りのログっぽくなってきた。
刃の高さを変えたりしてもう少し整った形に加工できるよう調整する。

ログの組み合わせる部分に深さ2.5mmちょいの切り欠きを昇降盤を使ってほり、それを組み合わせてみる。


それを重ねてみれば・・・うん、ログハウスの組み合わせに見える。だいじょうぶだろう。
割り箸状に割いた材を組み合わせて1階の床になる土台を組む。

ローラーをセットから外し、別の器具を取付けた昇降盤に割り箸状の材をセット。
寸法にあわせて組むためのみぞをほっていく。

↑まとめて何本も一度にみぞを簡単にほることができるので便利便利。

寸法の計算を慎重にしないといけないが、ここまで3分とかからずほりおわれる。機械は便利だなー。



↑ボンドと木づちを使い格子状に組んでいく。
↑の写真だときれいに組み上がっているように見えるが・・・

かすかな寸法のズレが組み上がったときにこんな風にゆがみになって出てきたようだ。
それで、床部分よりちょい大きめのラワンベニアを準備し、そこに木工ボンドで貼り合わせることにした。

ラワンベニアも5mm程度でそう分厚くないので、重しがわりにいすをのせてゆがみが出ないようにしてみる。

この作業で威力を発揮するのが、昇降盤という機械。

この機械を使えば、思いの幅に板を正確に割いていくことができる。

ココをクリックすると別画面で動画再生(wmv形式 1.43MB 13秒)
特に↑の動画でも出てくる送りローラーは安全かつスピーディーに作業ができるのでとても重宝する。

5mm角のちょうど割り箸と同じくらいの太さの材を何本も作る。
これが、床材やログの部分になる予定。
端材とはいえ大切な資源。できるだけムダの出ないよう隅々まで使う。
割き終わった材は寸法足らずや材料の違いで分類しておく。

実習で使うまでに1年以上木材を寝かせ、じゅうぶん乾燥させてから使う(でないと、曲がりや狂いが出やすい)が、それでもこうして割き終わったところから少しずつ曲がる材がある。
それで種類別に分けた材を輪ゴムやはたがねで縛っておき曲がりが出ないよう矯正しておく。

製品作りの際、寸法に合わず端材となる材が出てくる。
そうした材は木工実習室の隅に置いていつか使える日を待つ。
いま私の学校で使う木材は、ナラ・ニレ・ブナ・カラマツ・タモが中心。
端材とはいえ、近隣のホームセンターで売る格安の材にくらべるとずいぶんと高級な材ばかりだ。

その中から薄すぎて普通の製品には使えない10mm以下の板材を自動かんな盤を使って5mm厚にする。

木工科の資料棚にたくさん参考図書が置かれている。
それを1冊ずつ見させていただき、参考になりそうなデザインをかたっぱしからコピーする。
写真もいいが、こうした手書きデザインのイメージ図の方が、材料取りのイメージが湧きやすく参考になりやすい。

そこからいいなぁと思うデザインを部分部分いいとこどりして、それをイメージ図におこしてみる。
いろいろ凝ったものにしたくなるが、冬休みで時間があるとはいえ、他の8人の子どもの制作も考えないといけないので、ある程度妥協してイメージ図をかく。
そこから、実寸で見取り図をかく。
目安は制作する子どもが卒業後グループホームに入ることを想定し、カラーボックスの上に置ける大きさまでとする。そうA3サイズくらい。
私の担当する木工科3年生の9人の子どもたちは、3学期に入ると順次卒業制作に入っていく。
これまでの経験を活かし、自分が作ってみたいものを簡単なイメージ図や設計図をひいたりしながら作っていく。
Aくん:壁掛けカレンダー(六曜つき)
Bくん:DVDラック
Cくん:木刀
Dくん:お母さんが座れるいす
Eくん:カフェテーブル(丸くて脚の高いテーブル)
Fくん:木馬か手押し車
Gくん:デコトラをイメージしたトレーラー
Hくん:ミニチュアのログハウス
Iくん:DVDラック
みんなオリジナルな作品ばかり。
で、それぞれの子の能力差も考え、どこまで材料を準備しておくかとか、どういう工程で作っていくかとか、その子が満足感・成就感を味わえる制作過程を考える・・・これまで木工経験のなかった私にはかなりの難問だ。
それで、冬休みに入ってからも土日も学校に出てきてはそれぞれの子のメニューを考えたり材料を準備したりしている。
中でも一番頭の痛いのが、ミニチュアログハウス。
市販のキットを使わず、制作費を規定内におさめながら、なおかつこのHくんの能力を考えて制作課程をどうすればよいか・・・。
いろいろ考えて、まず自分で図面をひいて作ってみることにした。
No related posts.



Comments