この3学期、卒業制作とならんで力を注いでいたのが、個人版画制作だった。
産業科・木工科・クリーニング科で3科と呼んでいる。
その3科の3年次は体育・美術を半年ずつ行うことになっていて、私は美術の主担当になった。
その美術で一番頭を悩ませたのが、版画制作。
ここ数年、3科の卒業生は自分の顔を木版画にする制作活動をしている。
どうやれば、本人も周りも満足できるものになるか・・・それを昨年後半ずっと考えていたものだった。
過年度美術を担当されていた先生にお聞きし、ネットや書店で情報を探したりしてどうやら自分なりの制作の進め方が固まったのが11月の学校祭が終わる頃だった。
”版画の出来はもとの写真の質と、目鼻の顔立ちを丁寧に彫れるかにある。”
そう心得て制作を進めた。
はじめに、写真を趣味にもっていらっしゃるT先生に、学校のデジタル一眼カメラで生徒ひとりひとりの写真を撮っていただく。
ひとりひとり呼んで個人撮影したり、みんなと談笑している様子をそっと撮っていただいたり。
授業2回分使い、念入りに丁寧に写真を撮っていただいた。
その膨大な写真から版画用の写真になりそうなものを数枚ずつ選び、生徒と相談して1枚に絞り込んだ。
その写真を版画風&白黒ツートン加工してA4紙にプリント。
そのプリントした紙から版木にカーボン紙で輪郭などを書き写させた。
書き写させた下絵を丁寧に彫りとらせ、印刷にかけていく。
みんな、和気あいあいのすごくいい雰囲気の中で、楽しくリラックスしながら作業をすすめていった。
一番早くできた子でも、書き写し→彫る→印刷で授業4回分をかけた。
結局美術最終授業まで時間をかけ、25人全員の版画制作を終えることができた。
できあがった版画は順番に3年生の教室の廊下に展示。
もともと画像処理したときには同じような作風だったはずが、印刷までかけてみると、それぞれの子らしい味わいのある作風に変化していったのにはへぇ~と思ったり。
「中学校のときは美術ってとっても嫌いだったけど、この美術はとっても楽しかったよ」
そう話してくれた子がいた。
難しい作業のところは結構先生の手が入っていたりするが、楽しく、それでいて本人も周りも満足できる仕上げになって、とてもよかったし、美術は専門外だったけれどやればなんとかなるんだなぁと思ったり。
子ども同士でも助け合っていたし、先生方にもたくさんお手伝いしていただいた。
できあがった作品は、学科ごとに分けられて額に入れて卒業式のときに玄関ホールで展示した。
そのあとは、各学科の実習室入り口などに先輩たちの版画と並んで訪れる方々を出迎えている。

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