その4:木剣(S君)
卒業制作何を作りたい?と生徒たちに聞いているなかで、はじめからこれを作る!と一貫していたS君。
卒業式のあと、玄関ホールでご家族の方に発表する機会があったときに、
”いままで作りたいものをつくるってことをしたことがなかったから、これを作れてとてもよかったと思っています”
と話していた。
はじめ、木刀と聞いたときは、切っ先鋭い危険なモノを想像していたのだが、案ずるよりナントカ・・・というやつだろう、芸術品のような仕上がりになっていた。
S君が一番卒業制作らしい作り方をしていて、
はじめに実物大の設計図面をひく→2枚の集成材(ナラ)をつくる
→集成材に実物大の図面を書き写す→帯のこで切る→ベルトサンダー・手研磨で仕上げる
→置き台も同様に作る・・・
とほぼ全工程を自分の力で成し遂げた。
手先が器用で、飲み込みも早いS君。
実習でも一番難しい工程を任せることが多かった。
とはいえ危険な機械加工が必要なパーツは教師が準備することが多いから、今回の卒業制作のようにほぼ自分の力だけで作り上げたことは大きな満足感達成感を味わったことと思う。
その5:カフェテーブル(T君)
T君もはじめからカフェテーブルがいい!と決めていた。
ひとりひとりが違う作業をする卒業制作の期間は、それをスムーズに進めるためにどういう段取りをひとりひとりに課していくかを考えるのに教師は必死になっている。
その点でありがたかったのは、そのカフェテーブルの主材料になる集成材(天板や柱)は昨年の学校祭での販売に向けてT君が作っていた部品を利用できるということだった。
すでに本人の手で材料がこしらえてあるところからのスタートだったから、その先の作業はスムーズに進んだ。
製品販売版と違うのは、柱に彼の名前(RYOTA)を入れたこと。
糸のこ切りはT君には難しいので、クラスメートのM君に助けてもらって。
そうして、オリジナルなカフェテーブルが立派に完成した。
その6:CDラック・ホワイトボード・ピック入れ(M君)

2年生のころからギターを習い始め、ストリートミュージシャンにもあこがれているM君。
街で、ライブでギターを演奏するときに持って行けるものをつくりたい・・・そういう希望を聞きながら作り上げたのがこれらの作品。
CDラックは、さきに紹介したK君のDVDラックとデザインはほぼ同じで上にものを置けるような棚を追加で作っている。
ホワイトボードは、カレンダーボード作りで余ったカラートタンを流用して作ったもの。
ピック入れは端材を使い、彼のアイデアを聞きながら、角のみ盤・トリマーを使って仕上げたもの。
どれも思い入れのあるひと手間ふた手間かかった品ばかりだ。
夢のある、いい音楽を聴かせるギター弾きになれるよう応援していきたい。
その7:お母さんのためのイス(S君)
お母さんに楽をしてもらえるようなイスを作りたい。
その気持ちをはじめから私に伝えていたS君。
リクライニングチェアのように背もたれが傾斜してたり、角度調節ができるようなイスを作りたい気持ちを彼は持っていたが、強度の面で不安があることなどからちょっと難しいということに。
でも、リモコンを置いておけるようなスペースをという希望を活かし、脚の強度を補強するという意味もミックスして小物や本が置ける横板をつけてとてもオリジナリティのある作品に仕上げることができた。
材はお母さんが持ち運びしやすいように軽いツーバイフォー材を使う代わりに、ウレタン塗装や何カ所にも木ねじを入れて強度を出すよう工夫されている。
オスモ塗装中心でやってきたから、こうしたウレタン塗装を取り組んでみるといろいろうまくいかないところもあったりしたが、こうつやつやした光沢の仕上がりを見るとこのウレタン塗装もまたいいもんだなぁ、そんな風に感じた。
あとはお母さんのために・・・というS君の立派なこころがけ。
それを知っているから、とても温かみをこの作品に感じるのだ。
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