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映画:ずっとあなたを愛してる

イスラマバード滞在記更新中ですが、とっても良い映画だったので備忘録的に。

今日は友人に誘っていただいて、シネ・リーブル神戸 http://www.cinelibre.jp/koube/ で上映している「ずっとあなたを愛してる」を観てきた。

邦題:ずっとあなたを愛してる
原題:Il y a longtemps que je t’aime
英題:I’ve loved you so long.
2008年フランス映画 フィリップ・クローデル監督
日本版公式サイト:http://www.zutto-movie.jp/
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2010/02/15 閲覧

誘っていただいた同期さんは映画批評を参考にされたとのことだったけど、私はそれを見ないで鑑賞に臨む。
Kristin Scott Thomas クリスティン・スコット・トーマス演じるジュリエッタが15年の刑期を終えて出所→Elsa Zylberstein エルザ・ジルベルスタイン演じる妹と再会するところから物語は始まる。

ジュリエッタの罪名は息子殺し。でも公判でもほぼ完全に黙秘を貫き、出所して妹の家に身を寄せてもそのことを話そうとはしない。
邦題の「ずっとあなたを愛してる」はジュリエッタが自ら手をかけてしまった息子に対しての思いであることは間違いないが、どうして黙秘をつづけたのか、それが分かるのは映画の最終盤。
でも映画全編にいろいろな人のいろいろな人への愛情をかいま見るシーンがふんだんに盛り込まれている。
妹は自分で出産しない代わりに、ベトナムの女の子を養子にとり大切に育てている。
妹の職場は大学。イラク出身だろう同僚(か友人の)医師が「戦争があっても、私たちの友情は壊れないんだ」と写真をいとおしそうに眺めるシーン。

妹のクラスにはアフリカ系の学生も、車いすの学生もいる。それに自分が養子にとっているのはアジアの子ども。それにチラッとだけど、話題になっているスカーフをかぶった学生らしい姿も映っていた。いまのフランスのありようを伺わせるシーンが盛り込まれている。

日本版サイトのTrailerで、姉と妹が激しく口論をするシーンがあるが、これは最終盤のシーン。全体に表現は抑えめに演出されているから、この激しい口論シーンはいっそうひきたつ。ここから、なぜ息子を手にかけなければいけなかったのか、ジュリエッタが自ら口を開くクライマックスに入っていく。
その口論になるきっかけの出来事の挿入といい、シナリオがよく考えられ、作り込まれているなぁと感心した。
最後、告白を終えたジュリエッタをを呼ぶ声が階下から聞こえてくる。ジュリエッタをよく理解するあるひとの声だが、それはまるで息子がジュリエッタを許してくれているかのようにも、神が彼女を許しているよという暗示のようにも聞こえてきた。そうして映画は締めくくられる。

映画の印象は、一言で言えば「とってもセンスがいい」だ。

年末、Avatar アバターを観たときは映像で圧倒されたけど、ストーリーの持って行き方が「こうなんだよ!」という制作者の思いが押しつけられているようで、映像のリアル感は十分あったけど、生身の人間が生きているというリアル感には少し乏しい気がした。
(あ、でも良い映画やと思います。そういう主張もあるなぁと。3D元年と言われる今年、歴史に残る大作になったのは間違いないと思います。)

この「ずっとあなたを愛してる」の監督・脚本・台詞を担当した、Philippe Claudel フィリップ・クローデル氏のこれまでの経験、

  • 刑務所での教師経験
  • 身体障害の子どもの学校での教師経験
  • 自らがベトナムから養女をとり育てている(映画中の養女役プチ・リスは、クローデル監督の実の養女!)
    などからこの作品が書き起こされていて、配役やシナリオのなかに投影されている。
    養女プチ・リス役の少女の演技はすばらしかったけど、監督のホンマの養女やったとはあとで知って驚いた。
    それだけリアル感をたっぷり与えられる内容やけど、何か特別なメッセージを観客に押しつけるといったことがまったくない。ホントセンスがいいんだ。どういう人種・国の人が観ても共感できるんじゃないかな。
    また観たいと思ういい作品だった。ありがとう、誘ってくださって。

    シネ・リーブル神戸で観たのは今日が初めて。
    とてもきれいなシアターだけど、大手のそれとは違い、札幌でよく通ったシアターキノ http://theaterkino.net/ のような手作り感を感じた。良い映画館やね。

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